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温かいベッドの中でも、僕らはベッドの夢を見る。

どのくらい若手に任せるかというと、主力商品の開発に1年目を巻き込むほどです。

永易:自分がつくった製品をできるだけ多くの人に使ってほしい。それが、パラマウントベッドを志望した理由の一つです。国内の病院の約7割に自社製品が納入されている。国内シェアトップ、世界シェア2位。モノづくりを志す人間として、そうした規模感はとても魅力的に映りました。
窪田:でも、その規模に反比例して社員数は少ない。企画、設計、試作、梱包、量産までぜんぶ自分が携わることができる。少数精鋭だからこそ、若手も即戦力扱いです。「これは自分がつくった!」という実感が欲しかった僕にとっては、これ以上ない職場だったように思います。
永易:僕自身も1年目から、新製品開発にも挑ませて頂くことになりました。しかも、その新製品というのが、うちの事業の3本柱である『海外』『施設』『在宅』の中の、『在宅』の基幹製品。絶対に成功しなければならないプロジェクト。プレッシャーも半端なかった。

「これじゃ、売れない」。 営業さん、ダメ出しをありがとう。

「これじゃ、売れない」。 営業さん、ダメ出しをありがとう。

永易:僕が任されたのは、立ち上がり後の歩行サポート機器の開発。考えるべきは、患者さんの使い勝手だけじゃない。ヘルパーや看護師にとって使いやすいか。工場で組み立てやすいか。あらゆる人の立場に立ち企画・開発を進めなければなりません。著名なドクターや看護師の方にも意図や思想を伝えたうえで、実際に使用してもらいました。その場で要望を聞き、製品発表のギリギリまで改良を進めました。ところが、いよいよ最終段階というところで「これじゃ、私は自信を持ってお客様にお勧めできません」という意見が、営業さんから出てしまったんです。このような使い方をするご利用者様もいるから、もっと工夫が必要だと。悔しかった。そして思った。99%の人が快適でも、1%の方が不便を感じるのであれば、それは改善しなければならない、と。だけど、圧倒的に時間が足りなくて頭を抱えていたら、上司が言ってくれたんです。「今、永易が抱えている仕事はこっちで引き取ってやる。だから、納得いくまでやってみなさい」と。本当に嬉しかった。それから一週間、試作室にこもりっきりになりました。穴を空けて、曲げて、溶接して。気づいたら15個も一人で試作していました。寝ても覚めても、製品のことばかり考える日々。上司の協力と、それらの試行錯誤のおかげで、なんとか全員が納得する製品を創ることができたんです。

技術者に大切なのは技術以上に「考え方」かもしれません。

技術者に大切なのは技術以上に「考え方」かもしれません。

窪田:入社5年目には開発プロジェクト全体の主担当として、プロジェクトスタートから関わらせてもらいました。開発の方向性を決めるところ、つまり「何のために、どんな価値をつくるのか」から、考えさせてもらったのです。ただやみくもに、高機能であればいいわけじゃない。モノづくりの目的は「つくること」では決してない。モノづくりという手段を通じて、「ユーザーや社会のニーズに応えていくこと」が僕たちの役割ですから。コンセプトメイクにかけた期間は、およそ1年。その間、営業やユーザーの話を聞くのはもちろんのこと、膨大なデータにも目を通しました。たとえば、既存製品では、どのくらいの介護レベルの方に、どのような機能がよく使われているのか?数百件分のデータや改善要望に目を通し、事実をもとに、方向性を導き出していったのです。コンセプトが決まったら設計を進め、試作に入る。工場のスタッフも巻き込み、工場で製造を進める際の段取りも考える。技術者に大切なのは技術以上に「考え方」かもしれません。評価のタイミングでは当然、品質保証部の方にも力を貸してもらいました。これだけ多くの人が関わるからこそ、様々な意見が出る。迷うときもある。100%の答えがない世界だからこそ、迷い始めたらきりがない。量産を開始する直前まで、ずっと考えていました。試作室で考える。家に帰っても考える。風呂に入りながら考える。夢の中でも考える。一度、長風呂をしすぎて、妻が心配して見に来たほどです(笑) そんなときこそ、原点に立ち戻るんですよ。「自分たちは、何のために、どんな価値をつくりたかったんだろう?」って。

つくりたいのは、製品だけじゃない。新しい事業をつくってみせる。

つくりたいのは、製品だけじゃない。新しい事業をつくってみせる。

窪田:ベッドの販売を担当する販売会社の方からは、「ベッドがここまで進化するとは思わなかった」「ファーストクラスみたいだね」。そんな声をいただきました。市場に出るのは2014年1月。ユーザーからどんな声が聞こえてくるか、今からとても楽しみです。
永易:これからも、そんな風に市場をびっくりさせる製品を数多く生み出していきたい。現在の当社は、ハード部分はとても強いけれど、製品を使う人の中には、体だけじゃなく心が弱っている方もいる。そういう方には、ソフトでサポートできることがあると思うんです。今の当社に、そんな事業はない。だから、自分が成長して事業化を提案したい。そのために、今は組み込みシステムの勉強を進めています。上司から言われたわけじゃない。今の業務とも関係ない。だけど、やりたい気持ちを尊重してくれる社風ですから。

窪田:僕は、ベッドを超えて、生活空間までを見据えたモノづくりをしていきたいですね。手すり等はもちろんですが、たとえばベッドサイドでテレビ電話ができる。そうしたユニットがあってもいいかもしれない。「何のためにつくるのか?」という、提供価値を考えられる力と、それをカタチにするスキルの両輪を鍛え上げ、「窪田が言うなら」と周りを巻き込み動かしていける技術者になりたいと思います。
永易:僕、ずっと思っているんですよ。30年後に「え!パラマウントベッドって、介護製品しかつくってなかったんだ?!」と驚かれるような会社にしたい。動く、見る、考える、そのすべてをサポートできるようなモノづくりを実現したいんです。夢みたいですか?いいじゃないですか。だからこそ、挑み甲斐があるってもんですよ。